4月15日(水) ON SALE iTunes / レコチョクにて配信中! ゆずにとって約1年ぶりの書き下ろし楽曲となる新曲「ポケット」は、岩沢厚治の作詞・そして岩沢と蔦谷好位置の作曲によるミディアムバラード。繊細なアルペジオから幕を開ける楽曲は、アコースティックギター、ピアノ、ストリングスが三位一体となって響きわたり、冬の澄みきった夜空を連想させる綺羅びやかなサウンドに。静寂性あるバラードでありながら、躍動性や疾走感あふれる曲構成となっており、岩沢厚治楽曲としては新境地ともいえるテイストとなっている。 サビで広がる壮大さと対照的に、楽曲タイトルにもなっている“ポケット”という言葉がフックとなり、独自の世界観を構築している風景描写巧みな歌詞。透き通るような演奏に重なりあう透明感&温かみあふれる歌声。メロディと歌詞にマッチしたそれぞれの歌がソロ、ハモ、ユニゾンと姿形を変え、聴く人に唯一無二のハーモニーを届けていく。
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Official Interview オフィシャルインタビュー

― 今年の7月に配信シングルとして「夜霧の伊勢佐木町~愛の真世界編~」をリリースしていますが、純粋な書き下ろしシングルとしては2月発売の「ヒカレ」以来、およそ1年ぶりの新曲となります。まず、この「ポケット」という曲がどういう経緯をもって生まれたのかを教えてください。

岩沢厚治(以下、岩沢)
今年の夏は新世界ツアーをまわって、その後にローソンライブや日本生命さんのイベントなどもあったりして。とにかくライブをたくさんやらせていただいていた中で、『新世界』に収録された楽曲たちを歌い続けて、その曲たちを一通り歌い切れたかなという想いがありました。新世界の楽曲が自分たちの血となり肉となり、実になり始めてきたところで、さて、次はどうしようかなという時期に、「ポケット」の制作に着手しはじめたんです。元々の原型となる、断片的な曲は少し前からあって、その未完成のまま置いておいたメロディを、しっかりと形にしようと動きだしました。

― では夏の終わりから秋にかけて、制作を始めていたんですね。

岩沢
そうですね。ツアー先だったり、ライブとライブの間だったり、ものすごい集中して1曲書きあげます! という感じではなく、こんな世界観や歌詞がいいかも、というのを、旅先でゆっくりと考える時間があって。徐々に曲を構築していきました。

― 今回は、ゆずと何度もタッグを組んできた蔦谷好位置さんが作曲・編曲として参加していますね。

岩沢
はい。曲をつくっている過程でタイアップのお話があり、改めて楽曲の世界観を考えていく途中で、蔦谷くんと曲のキャッチボールをしてみようと思いました。僕の元々あった曲に対して、蔦谷くんが新たなメロディを提示してくれたりして。

― 北川さんは、どのあたりからこの曲に参加していったんでしょうか?

北川悠仁(以下、北川)
僕が一番最初に聴かせてもらったのは、それこそ未完成だった原曲の「ポケット」で。もう少しおとなしいというか、情緒感のある弾き語りのバラードだったんですね。その後の細かな制作についてはもちろん岩沢がメインとなって進めていったんですが、途中のプロセスであったり、蔦谷くんが加わって大きく変化していったところも一緒に参加しました。

― 蔦谷さんとはゆずの代表曲になった「虹」をはじめ、『新世界』でも「よろこびのうた」など、多くの楽曲でコラボレーションしているぶん、制作はスムーズに進んだんじゃないでしょうか?

岩沢
まさに今回のやり方は「よろこびのうた」に近いんですけど、僕が基盤となるメロディと歌詞を入れていって、蔦谷くんはそれをさらにブラッシュアップして新たな構成を加えてくるという。途中まではメールのやり取りがほとんどで、アコギとストリングスのレコーディングをやるときに、久しぶりに蔦谷くんに会いました(笑)。そういう時代なんでしょうね。

― レコーディングでの印象的なエピソードはありますか?

岩沢
レコーディングではないんですけど、蔦谷くんと直接メールをやりとりしていたときに書いてくれた言葉があって。「僕もがんばりますから、岩沢くんもがんばって歌詞を書いてください。お互い次のステージにいきましょう」という、激励の言葉が書かれていて。それがね、なんだか嬉しかったのと同時に、この絆というか、この想いは楽曲にも絶対反映されるなと。これはもう、きのうきょうで出会った“歌う側”と“プロデューサー”の関係じゃできないなと思って。気合いが入りましたね。そこで新たな歌詞も生まれました。制作するにあたり、蔦谷くんから返ってくるトラックに背中を押されたというのはありますね。次はどんな展開なんだろうと後押しされながら歌詞を書いたり。歌入れのときもそれを感じて、こんなに楽しい歌入れは初めてというくらいでした。

― その過程を客観的に見ていて、北川さんはいかがでしたか?

北川
岩沢の持っていた原石を蔦谷くんが発展させていくプロセスっていうのは、見ていながらすごく面白かったし、その両方の才能が化学反応していく様は素晴らしいなと思いました。一方で自分としては、それぞれ中和できていない部分があるなと感じたりもしていて。今回の「ポケット」に関して、自分はその“架け橋”というか、つなぎきれていないものをつないで、ひとつのゆずの作品にしていくことができないか、と考えていました。

― 中和できていない、というのは、具体的にどんな部分だったんでしょうか?

北川
自分のなかで思っていたことが2つあって。ひとつは「ゆずの歌」。ゆずならではのハモであったり、ユニゾンだったり、それぞれの個性が出せるような響き方を、歌周りで調節しました。蔦谷くんのサウンドアプローチが良い意味ですごく強烈なので、そのサウンドにも負けない、ゆずとしてのコーラスワークみたいなものは意識しました。

― 具体的なボーカルメイキングについては後ほど詳しくお話を聞かせてください。2つ目は?

北川
なにより「ギター」ですね。蔦谷くんがつくりあげてくるサウンドに関して、ゆずとして、いかにアコースティックギターで“らしい”アプローチができるんだろうと考えました。

― なるほど。では具体的に楽曲のお話に入らせてください。この「ポケット」、資料では“ミディアムバラード”と紹介されていますが、単なるバラードに収まらない曲展開・構成になっていますね。とても新鮮な響き方をしていました。

岩沢
この曲にも、いろいろやり方はあったんですよ。まずAメロ、Bメロ、サビがあって、またそれを繰り返すような、ポップスにおける王道な曲にもできたし。ただ、それを面白くしてくれたのが、CMサイズという提示だったんですね。今回、『箱根駅伝』(2015年1月2~3日放送)の番組途中のCMで120秒サイズが流れるんですけど、その120秒に、この曲のすべてをつめこめないかというアイディアがでまして。もちろん普通に1番は入る長さではあるんだけど、それじゃあ少しもったいない気がしたんですよ。あえてありえない並べ方をしてみたいというか。なので、一度曲をバラバラに切って、並べ替えてシミュレーションをしてみて、再構築しました。最近では主流になりつつあるやり方かもしれないけど、自分の曲では案外やったことがなくて。

― そのやり方でひとつの完成形を提示できたのが「REASON」であり「表裏一体」でしたね。

岩沢
やっぱり影響としてはヒャダイン(前山田健一)とやったことが大きいと思います。1番が終わったら、2番のAメロじゃなくてDメロがくるみたいな。この曲の可能性をどこまで引っ張り出すことができるのか、ということを考えていました。

― あえて王道を選ばないというのは、これまでも曲によって挑戦してきた印象があります。その手段ややり方がさらに広がっていますね。

北川
今回が特別というわけじゃなく、いまゆずが表現している・表現したいことの延長線上にある感じはしますね。新たに生まれ変わったというよりは、岩沢がつくってきたバラードも、いまのゆずとしてはこういうふうに変わりますよという、自然な流れだったかな。気負いも含めて、無理してやったという印象はありませんでした。あとは、ゆず×蔦谷好位置の作曲作業も、良いかたちで熟しているなと思いました。それこそ「虹」をつくるときには、王道ではないものを! と意気込んで、みんなで色々考え苦労しながら、半年かけてつくっていったものが、いまのゆずだと集中してできるようになっている。そういう成長は感じられました。

― CMでの魅せ方というのも、「タイアップで遊ぶ」という定義の中で、より考えぬかれていっていますね。

北川
タイアップというところでいうと、曲と映像があわさったときの化学反応みたいなものを楽しめるようになっていますね。もちろん曲単体で聴いてもらうことは最初にあるけど、映像が加わったときに曲が化けていく経験を何度も味わって、その凄みを信じているので。2分なら2分のなかで、普段ゆずを聴いていない人も「ああ、ゆずってこんな曲もあるんだ」と知ってもらえるアプローチだったり、それに対して自分たちができることは最大限やっていきたいと思っています。

― 曲を聴いていると、歌はもちろん、アコースティックギターとストリングス、ピアノが絶妙なバランスで鳴っていて、とても心地よい気持ちになります。今回のギターアプローチについては、どのような意識があったんでしょうか?

岩沢
ゆずの得意なこと――いわゆるバラードにおけるギターのフレーズや弾き方だったりというのは、僕も一番大事にしたいところではありました。「ゆずってこういうことやってるんだぜ」って提示できるところでもありますし。とはいえ、“王道にはしない”という最初の縛りもあったので、それをふまえてどういうふうに魅せるか、アレンジに隠れてしまわないよう、活きるようなフレーズを意識しました。

― レコーディングの時点で、ギターのフレーズはできていたんですか?

岩沢
この曲のギターアプローチについては、僕と北川で個々の解釈をしたんです。それが蓋を開けてみればそんなに遠くなくて。北川は北川なりに「こんなのはどうかな」というギターのフレーズを何パターンか提示してきてくれて。それがね、すべてゆずっぽかったというか。いままでのゆずにはないけれど、「ああ、ゆずっぽいね」というものだったから、即採用でしたね。北川にしてみれば「えっこれでいいの?」って感じだったと思うんだけど(笑)。なんの否定もなかったですね。実はイントロも、北川が持ってきたんです。

― そうなんですか?

北川
はい。一番最初に聴いたときはピアノイントロだったんですけど、個人的に、ギターのイントロからはじまる曲にしたいなと思っていたんです。ちょうど岩沢が歌詞だったりメロのことをつめていた最中だったので、自分もなにか曲をさらに良くするためにできないかと感じていて。その時点でできている曲のデモをもらって、ひとりで前奏のアイディアをいくつか考えてデモをつくっておいたんです。そしてレコーディングのときに提案したんですけど、それがまさかのそのまま採用されてしまって(笑)。
岩沢
僕も曲頭になにかアコギのアンサンブルを入れたいなと考えていたところで、北川さんから「こんなのはどうでしょう」と持ってきたものがうまくハマって。はい、採用! という感じで。まあ、これからライブで苦労することになるかもしれないんですけどね(笑)。

― ほんの数秒の音色ですが、冬の夜空の情景が浮かぶ、素晴らしいフレーズだと思います。

北川
そのフレーズが印象的だったので、ほんのりなんですけど、Aメロのなかに入れてみたりとかしています。

― さきほど北川さんが言っていたギターアプローチが、活かされているんですね。

北川
うん。岩沢のスタンダードなアルペジオに対して、ゆずとして新しいギターのアプローチはできないかなと、こだわってレコーディングしました。『新世界』をつくっているとき、本当にいろんな個性的な曲があって、それをゆずとしてどういうふうに表現していくかということを考えていたんです。それを全部やり切ったいま、自分の中では“原点回帰”をしていて。もう一度、ゆずの歌とアコースティックギターというものにこだわりたい。ここ最近は、全体のサウンドの中に紛れていく・なじむようなアコギを心がけていて、実はここまで積極的にアコギのアプローチを追求していなかったのかもしれない。でも今回は、アコギで曲を引っ張っていきたいと思ったんです。

― その作業は、各自でつめていったんですね。

北川
そうですね。いまは自分だけでその曲と向き合う時間をすごい大事にしていて。スタジオにこもって、何度も失敗したり実験したりしながら進めていくやり方。そのやり方を、この曲で一歩踏み出させたと思っています。

― ギターだけでなく、今回もボーカルワークが素晴らしいです。それぞれの歌割りだけでも感動を生み出すことができる、まさにゆずならではの強みですね。今回の歌い分けについてはどのような考えがあったんですか?

岩沢
今回は僕の曲ということもあり、デモを作るときにソロ、ハモ、ユニゾンと僕だけで全部歌うんですけど。歌っているときから「北川はここだな、ここは俺はハモリだな」というのがなんとなくわかるんですよ。それがギター同様、お互いすれ違うことなく一致しました。「俺がサビを歌うんだ!」みたいなことにはなりません(笑)。
北川
これは本当に面白いなと思ったことがあって。ちょうど曲作りの途中に、Eテレの『亀田音楽専門学校』(11/27.12/4出演)に出させていただいたんです。そこで“2人組の良さ”というか――もちろん自分たちでわかっているつもりだったんだけど、番組の中でいろいろ解析したり調べたりしていくうちに、ああ、なるほどなと思うことがたくさんあって。まさに眼から鱗みたいな。たまたレコーディングの直前にそういうことがあったんです。

― それが今回のボーカルメイキングに反映されているんですね。

北川
学んだことを即、実践で活かしましたよ(笑)。もちろん岩沢がつくった曲だし、自分がつくった曲にも自分メインの曲があったりするんだけど、でもやっぱり、2人だからこそできる主メロ・ハモ・ユニゾンの面白さというか、そういうものを大事にしたいと思いました。
岩沢
蔦谷くんがレコーディング中に「今回の曲、音数が多いわけじゃないんですよね」と言っていて。でも決して物足りない感じがしないのは、アコギやストリングス、ピアノの三位一体に加えて、僕らの歌がうまく混ざり合っているからなんだなと思いました。

― 曲制作では、“壊していく作業”も当然でてくるとは思いますが、同時に絶対に壊してはならない部分もでてくると思うんです。曲やサウンドについてはそれぞれ双方向からのアプローチでしたが、歌詞の面ではいかがでしたか?

岩沢
「よろこびのうた」のときもそうでしたけど、わりとこう…触れられないくらい繊細な部分っていうのが今回の「ポケット」にもあって。例えば、5文字の歌詞を入れることになったときに、なんでもかんでもハマるわけじゃないというか。なんだろう…あんまりいじれないけれど、いじらなきゃみたいな、すごく緻密な手術が必要で。仰るとおり、ここは壊していいんだというポイントと、ここは絶対に触れられないくらい繊細だなと思うところが混在していて。だからね、原型はもちろんあるんですけど、原型からは想像できない仕上がりにはなったと思います。

― 曲名の「ポケット」は、原型のときからあったんでしょうか?

岩沢
はい。原型のときからずっと「ポケット」でしたね。

― この曲名と、夜空をイメージした曲全体との対比が、とても感動的です。

岩沢
ありがとうございます。まさに、さっき話していた繊細な場所というのが“ポケット”で。“ポケット”という文字をどう活かせるだろうか、というのを、とても慎重に考えました。曲をつくりながら、ただ壮大な「綺麗な星空に願いをかける」曲には絶対にしたくないと思っていて。なにか大きいものと対比するために、この曲に忍ばせておきたい言葉が“ポケット”でした。ここがうまくいかないと、ヘタすることこのまま宇宙旅行に行っちゃうんじゃないというくらいのアレンジなので(笑)。そういう壮大なだけではない、しっかり自分のところへ戻ってくるワードとして、“ポケット”はとてもデリケートな言葉でした。

― 細部にわたる楽曲のお話、ありがとうございました。2015年一発目の楽曲として、このタイミングで新曲をリリースすることの意味合いや、想いはありますか?

岩沢
最初にも言ったかもしれないけど、今年一年はアルバム『新世界』の曲たちを歌い尽くした一年でした。それゆえに、新曲をつくれる喜びと、出せる喜び、年が明けてすぐにみんなに届けられるということは、単純に嬉しいです。少し話が逸れてしまいますけど、年末って音楽番組たくさんあるのに、年明けたお正月は、なぜかなんにもないですよね。毎年思うんですけど、こういうときこそ歌番組やったら、俺、観るのになと思いますね。家族団らんでいるときに、みんなに新曲を届けられるなんて、素敵なことですよね。今回は歌番組ではないですけど、配信とCMという形でお届けできる。やっぱり、とても嬉しいですね。晴れ着で聴いたりするのかな。

― 最後に、2015年の展望をファンの皆さんにお願いします。

岩沢
リリースやツアーはもちろん、常に鮮度を大切に、あーでもないこーでもないと考えながら、2015年も走っていきます。スタジアムライブが終わる頃には夏が終わるんだなと想像しながら(笑)。弾き語りライブ、久しぶりなので楽しみです。
北川
今年は…いや、『LAND』からかな。15周年が終わってから、怒涛のように駆け抜けてきた2~3年だった気がしていて。自分はいま立ち止まって、もう一度これからどういうふうにやっていくのかを考えていたりしています。今回の「ポケット」もそうですけど、今まで以上に、ひとつひとつの楽曲やライブに心をこめて活動していきたいと思います。2人のアンサンブルみたいなものも、これまで以上に追求していきたいな。

― 北川さんの言う“2人のアンサンブル”の追求、原点回帰が、線となって夏の横浜スタジアムライブにつながっている気がします。

北川
そうですね。新世界ツアーでは総合演出をやらせてもらいながら、いろんな演出やステージングを考えてきたなかで、ゆずとして弾き語りの良さというのも再認識できたんです。これからもゆずとして失ってはならないものを大切に、原点に磨きをかけていきたいですね。
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